「外国籍人材とともに飛躍する(Career Fly)」
”外国籍人材”を採用する真意とは  外国籍人材採用後進国日本において、積極的に外国籍人材を採用している企業は何を目的としているか紐解く。キーパーソンへインタビューを行い、外国籍人材とともにどのような企業ビジョンを描くか、その飛躍(Career Fly)へのロードマップを深掘りしていくインタビュー企画。


JoBins 代表取締役 徳永勇治氏にインタビュー
Bank of Chinaに入行して社会人スタート。4年後にはリクルート社へ転職し、営業として広告セールスを担当する。
2012年、株式会社パシブル(現JoBins)を創業。中小企業特化・オンライン人材紹介プラットフォーム「JoBins」を展開する。

CareerFly大野(以下大野): いつも貴社サービスをエージェントとして利用しております!先日も1名内定いただきました!徳永さんに忘れずご報告しなくてはと!思い出してよかったです。

JoBins徳永氏(以下徳永氏):それは、おめでとうございます!たくさんのマッチングがJoBins上で実現できることを切に願っております。

大野:ネパールの優秀なエンジニアの方が同プラットフォームを構築されているのですよね!外国籍エンジニアを採用しともに成長している御社の話をぜひ今日はたくさんお伺いしたいです。

徳永氏:はい、よろしくお願い致します。

一瞬フリーターから人材紹介ビジネス立ち上げへ

大野:2012年創業時に外国籍人材採用を計画していたのでしょうか?

徳永氏:外国籍人材採用は疎か、人材採用計画自体当初あまり考えていませんでした。そもそも、JoBinsを創業するまで色々ありまして。起業理由もあまり計画的と言えずでした。(笑)大野:ちなみに、どのような経緯で起業されたのですか?

徳永氏:大学卒業後、Bank of Chinaに入行しました。その後、リクルートに転職しまして。その時代に知り合った方に声をかけてもらい、その方が立ち上げた企業にジョインする予定でした。めでたく退職日も決まり送別会も済んだ矢先、その会社の資金繰りが厳しくなりジョインする話がなくなってしまいました。急遽フリーターになったわけです。(笑)

大野:(笑)盛大に送り出してもらい、戻るわけにいかないですもんね。

徳永氏:「天下取るぞ!」みたいな勢いで辞めた手前、戻るのはカッコ悪いですよね。(笑)だったら、起業しかないと決意しました。前職リクルートで積み上げた人事ネットワークを活用してお金を稼げる方法ってなんだろう?と考えた結果、人材紹介ビジネスをスタートすることにしました。

大野:確かに!これまで積み上げたリソースを十分に活かせますね。

徳永氏:そうですね。リクルート時代は広告メディア営業しかやったことがなく、人材紹介のマッチングはど素人で、最初は見よう見まねで人材紹介サービスをスタートさせました。”元リクルート”という免許を持ちながら営業することでさらに多くのリソースを築き上げることができました。


非効率な人材紹介業界に疑問を持ったことが外国籍人材との出会い?!


大野
:そして間も無くビジネスが軌道に乗り始めてきましたね?

徳永氏:はい、紹介ビジネスも順調になってきたころ、業界に対する疑問を持つようになりました。

大野:どのような?

徳永氏:”非効率”な業界だな、というのが当時から思っていたことでした。気になる数値をあげると、面談を通した決定率(マッチング)が約10%です。低いです。大手エージェントで8.9-9.1%。中小零細エージェントとなるともっと低い決定率(3-5%)となります。そう考えると、ほとんどの求職者の方や企業サイドのお世話ができていないということです。

この事実を省みたとき、業界全体を変えるために何かできるのではと思い立ち、現在のJoBins*を構想しました。
*中小企業特化・オンライン人材紹介プラットフォーム
それで、思いついたら作ってみたくなり、エンジニアを探し始めました。

大野:ここから外国籍エンジニアの話へつながるのですね。

徳永氏:いえ、まだなのです。(笑)最初は、エンジニア人材を国内で探しました。エージェントに依頼したり、自社採用活動を通して1年かけて探しました。が、見つかりませんでした。エンジニア人材を採用できない壁にまさにぶち当たったわけです。

大野:あるあるをご経験されたのですね。

ネパール国籍エンジニアの方々との出会い

徳永氏:そんなこんなで採用できずに日々を過ごしていたところ、前職の知り合いがネパールのエンジニア紹介をしているという話がありました。理数教育が国策で行なわれていることや一部大学でコンピューターサイエンス教育のレクチャーをイギリスの提携大学から受けている、などの情報を聞きました。

大野:確かに、これまでお会いしたネパール国籍の方は皆優秀なイメージがあります。

徳永氏:GAFAのような企業がインド採用で目標達成できなかった場合、ネパールに立ち寄り採用して目標数値をクリアして帰る、なんて話もあるくらいです。また、オフショア開発請負もしている企業がありますのでITノウハウも積み上げてきているとのことでした。それを聞いたときに、「うちで採用したい!」と知人にお願いしました。

大野:そしてネパールへ行かれたわけですね。

徳永氏:はい、現地へ飛びました。弊社が採用活動を行うとアナウンスして、70名のエンジニアが採用説明会に集まってくれました!

大野:(驚)!それはすごいです。

徳永氏:すごくないですか?(笑)当初、弊社は私とアシスタントの2名だけの会社です。しかも、これからプロダクトを作ろうとしている会社なのにこんなに集まってくれました。

大野:JoBinsさんがどのような会社で、何を作ろうとしているのか、また日本語力の縛りも一切なくアナウンスした結果ではないでしょうか?

徳永氏:そうですね。あと、給与に関して補足しますと、ネパール現地で就業するエンジニアの平均月収は5万円。(その他業種だと2-3万円)日本で最低でも20万円支給すると考えても、日本人のエンジニアを20万円でそもそも雇えないですよね。(笑)

大野:国内エンジニアの給与は上がる一方ですからね。ところで採用プロセスはどのような流れでした?

徳永氏:3日間かけて採用説明会と選考を行いました。そのときに、2名採用しました。これがまさにオファーレターにサインして握手している写真です。

大野:素敵なお写真ですね!

徳永氏:まず弊社の説明をするわけですが、やはり技術力が知りたいのでその場で技術力をはかるテストを70名全員へ実施してもらいました。
「せーの!」でスタートしたときに停電!(笑)復旧するまでテストができませんでした、という笑い話が思い出です。無事、テストを終え、集団面接を終え、2名へ内定を出し承諾合意。しっかり採用を終えて帰国できたわけです。

大野:内定をだされた2名の方の決め手は?

徳永氏:コーディングの技術が高かったことと見せてくれたポートフォリオもとても良かったことが一番の理由です。実は、当初1名採用を計画していました。ただ、よく考えたら言葉も文化もわからない国へ一人で移り住むって、自分だったら”病むな”と思いました。そのような理由から2名採用へ計画変更しました。たまたま、最終で検討していたアショックとサズンは同じ会社で働いていることがわかりました。また二人の性格が対照的なんですね。バランスの良い二人を受け入れることに確信を持ちました。

異国で生活する外国籍社員の視点に立てる

大野:来日〜それ以降のサポートってどのように対応されましたか?

徳永氏:できることは全てサポートしました。まず、ビザ申請は行政書士に依頼。無事2名とも申請がおり、半年後に来日することがきました。
日本行きのチケット、到着後即入居できる住まいなども会社側で対応しました。家具なども買いに行きましたよ!『アショックは赤い歯ブラシ、サズンは青ね』みたいに自分自身楽しみながら受け入れの準備をしました。

大野:素晴らしい!社長自ら全てを対応されている!

徳永氏:カレーを作るなど自炊もするだろうから、大きなカレー用お鍋も買いました。(笑)お布団ももちろん購入。

大野:至れり尽くせりです。なぜそこまで対応されるのですか?徳永氏:私が11歳のころ中国から日本へ移り住んだ経験が影響しているかもしれません。異国に移り住むことの大変さなどを実際に経験しています。その経験が有ったからこそ、彼らの気持ちを理解できるのかもしれませんね。

がむしゃらに働いてくれる彼らへ期待しかない


大野
:お二人がジョインして大活躍されていますね?

徳永氏:ほんとに、彼らの働き方は昭和です。(笑)とにかくがむしゃらに働いてくれます。ネパールという国の事情やそれぞれの壮絶な人生体験が影響しているのか、一つひとつの物事に対する取り組み方に”覚悟”が決まっているというか、常に一生懸命仕事をしてくれています。
おかげさまで彼らが開発してくれたプロダクトも大きくなり、手が回らない!という嬉しい悲鳴をもらったので、もう2名ネパールからエンジニアがジョインしました。

大野:わあ!素晴らしいですね。

徳永氏:結局彼らが一緒に仕事をすることになるエンジニアなので、新たに加わった2名のエンジニアはアショックとサズンが採用活動をして決めました。そしたら、まだまだ手が足りない!という声が上がり、リモートで開発してくれるエンジニアをネパールで見つけて契約雇用しています。

たった2名の外国籍社員のおかげでITプロダクト開発が実現できた

大野:外国籍社員の方が加入して何が一番の影響でしたか?

徳永氏:もともと小さな人材エージェントだった弊社が”自社ITプロダクト”を持てた、ということは本当に大きいです。彼らのエンジニアリング知識とスキルのおかげで現在のJoBinsがあるわけで間違いなく功労者です。ただ、外国籍だからという視点はこれにあまり関係してこないかもしれません。

大野:コミュニケーションで特に大切にしていることはありますか?

徳永氏:「ドキュメントに残す」ということは心がけています。互いに理解するための意思疎通の方法としてドキュメントに伝えたいことをまとめ、記録として残し共有することは意図的に行なっています。

大野:母語が異なりますからね。現在、外国籍社員お一人おひとりの日本語力はまだまだばらつきがありましたよね?

徳永氏:そうですね。日本語に磨きがかかってきた社員はおりますが、まだまだこれからです。だからこそ、誰もがわかる&理解できる方法を持ってコミュニケーションを取ることが求められています。
また、マネジメントにおいてはとにかくコミュニケーションが重要だと思っています。ですので、One on OneMTGは定期的に行うようにしています。
ただ、やはり遠慮なのか言いにくいのか、私の前で「Fine!」しか言わないのです。なので、お酒を酌み交わしてのコミュニケーションもするようにしています。やはり本音がでますね。
先日社内で行なった合宿ではほんと顕著でした。個人ベースの過去の話などもでたり、一人一人のことを深く理解ができました。

大野:あっという間に時間がたってしまいました!最後の質問で締めくくりたいと思います。JoBinsにとっての「Career Fly」とはなんですか?外国籍社員とともに成長する会社の方向性を教えてください。

徳永氏:弊社はどこまでいっても「エージェント」です。たくさんの方が人材エージェントを通じて、良いキャリアを積み上げられる世の中にしていきたい。そこに貢献し続けられる会社でありたいと強く想っています。職業紹介を採用就職のスタンダードにする、ビジョンを実現するため一丸となり思考を凝らし事業活動をしています。

大野:そのビジョン実現のために外国籍社員の方々の力が欠かせないということですね。最後に、ぜひ外国籍採用を検討する企業さんに対してメッセージをお願いします。

徳永氏:意思決定する勇気を持つことです。

大野:その勇気はどこからでてくるのでしょうか。(笑)

徳永氏:理屈じゃあないですね。国内エンジニア採用はレッドオーシャンです。そこで戦っていることを認識した方が良いかもしれません。戦い方を変えるには、ターゲットを変えることです。変えてみて、事業計画に盛り込み進めてみる。また、人材戦略においては、仮に人が取れなかった場合の恐怖や影響を考えてみると良いかもしれません。弊社でいうと人がとれなければ今のサービスも存在しなかったわけなので、やはり人が獲得できなかった後のことを考えると次の一手を考えるきっかけとなるのかもしれません。

大野:おっしゃる通りですね。大変参考になる情報ばかりお聞かせいただきありがとうございました!

                                   Career Fly代表大野理恵とJoBins 代表徳永勇治さん

Career Fly 
多様性ある文化形成を目指し、海外女子の人材紹介ビジネスを2015年にスタート。”日本ではたらく”を目指す理系海外女子を55カ国3700名をプール。海外女子の「越境転職をもっと身近に、気軽に」するための就業支援、および日本企業の優秀人材採用強化に貢献する。