Career Fly ” 特別インタビュー 第一弾 “

前ニッセイ基礎研究所主席研究員アジア部長  平賀富一氏へインタビュー。
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アジアの経済や企業の動向を研究している平賀氏へ日本国内の人材市場における外国籍人材介入に関して話を聞いてまいりました。 人材不足の解消だけが外国籍人材を採用する理由ではないこと、企業が国内人材以外の人材になぜ力を入れる必要があるかを伺ってまいりました。

前編はこちら.

Career Fly インタビュアー(以下、C) – 外国籍人材の「客観的」視野と日本人が思いもつかないアイデアが現存する技術や製品・サービスに付加されると、面白い展開が期待できますね! その、化学反応を起こすにも、外国籍人材を企業が積極的に採用するために必要なポイントが3つありますね?

平賀富一氏(以下、平賀氏)- 「本社の国際化」「グローバル標準化」「ローカライゼーション」です。 本社の国際化は、企業にとって基盤となる非常に重要なポイントだと思います。この点に関し外部変化と内部変化と二つの観点からお話します。 まず、外部変化については、今回のテーマである「外国籍人材の積極的採用」により、外部から有能な人材を取り込み内部に刺激を与えていくことで社内の国際的なダイバシティ文化の形成を実現させていく方法です。 次に内部変化について。代表例は「英語の公用語化」で、楽天やユニクロの事例が典型例でしょうか。その導入には内外から様々な意見があると思いますが、楽天の方の話では、成果は大きく、世界から有能な人材を雇用できる会社になったとのことです。当初は、全社員のTOEICの平均点が500点台であったのが、800点を超える水準になっているそうです。世界の優秀人材を獲得し活用するには、内部からも変化していくことが必要と感じます。 次に、「グローバル標準化」。トヨタ、コマツ、 YKKなどはグローバル標準化の構築と浸透に取り組んでいる日本企業の代表例と言えると思います。

C – グローバル標準化とは?

平賀氏 – 世界各国の各拠点に共通した企業理念の構築がまずは必要です。それを基とした行動指針への落とし込みが大切。そのためにはブレない企業の価値観を明確化することです。そして、特に重要なのがその浸透です。企業理念/行動指針、目指すべきゴールなど世界各国の拠点まで浸透させるには、ローカルスタッフの目線にたち一緒に理解を進める必要があります。企業理念/行動指針の一つ一つの意味を一緒に考え、事業活動を行う各国の言語にどのように落とし込み表現したら良いか、対話を重ね考え作り上げていくプロセスを持つことが重要だと思います。

次に、「ローカライゼーション」です。 グローバル標準化は前提ですが、他方、文化や事情など環境・背景の異なる国ではローカライゼーション(現地適応)も求められます。日本の本社の考えややり方が各拠点の状況に合致しない場合には、必要に応じて現地にカスタマイズする柔軟性が求められます。人事採用について一例を申し上げると、雇用期間の観点があります。終身雇用や長期雇用という概念は日本では定着していますが、外国籍人材にとって理解し難い面もあります。1社に腰を据えて自身のキャリア構築を永続することを希望しない人々もいます。そのような人材は、自分のキャリアをどのような業界、職種、業務で形成していくか考え、今の会社では十分なキャリアを積めたから、今度は転職して新規プロジェクトに参画しよう!じゃあ転職しよう!などと考えます。そのような思考をする人がいることを日本企業はまず理解することが必要です。その上でお互いに条件が折合うような人事制度や仕組みを作る対策が考えられます。例えば、雇用期間は3年で良いとか、短期雇用を前提に、福利厚生などでは特別な条件を許容するなど個々の事情にあわせた対応をしていくことが考えられます。

C – 今後、外国籍人材採用を加速するためにポイントとなることは?

平賀氏 – トップの意識変革と本社の国際化を同時並行で行うことです。 アジア各国の追い上げと日本のポジションの相対的な低下が現出している今、日本がどんな面でもリーダーという立場ではありません。各国が互いの優れたところを学び合う時代です。各企業では、グローバル化を牽引するトップの意識変革とコミットメントが、外国籍の有能人材の受け入れを推進する大きなドライバーとなるでしょう。

C – 日々経営者と接して思いますが、なかなか変われない経営者もいます。また、変わりたいのだけど方法がわからないというケースも。

平賀氏 – そうですね。その点に関連して、北海道のニセコの観光振興の事例が興味深いと思います。 日本にありながら世界的な観光地となることを目指しているのがニセコです。日本のニセコを世界の観光地とするために、様々な活動をしています。海外のライバル候補の観光地の状況を視察したり、職員に外国籍人材を積極的に迎え入れたりすることを積極的に行なっています。日本の内需の拡大のためにも、ダイバシティ化が必要・有効といえる典型例だと思っています。 我が国は観光立国だ!と思っている節もありますが、未だに観光サービスの供給者側の視点が強く、観光客のニーズを把握できていないこともあるのではないかと思っています。その真のニーズに気づき、観光客に満足してもらうポイントを増やしていくためにも、日本人とは異なる多様な視点が有効だと考えます。

C – すでに国内にいながらもグローバル化が必要となるわけですね。それらが必要だという気づきや危機感を抱く経営者が増えていくと良いです。

平賀氏 – 日産自動車の経営トップにゴーン氏が着任し、外国人の幹部が増えた時に知人が言っていたことが印象的です。社内公用語の英語化の是非とかそんな抽象的な問題でなく、外国人幹部とコミュニケーションができなければ日々の仕事ができない、と。それくらいドラスティックでセンセーショナルな変化がないと企業文化の大変革の必要性や危機感を抱くことは難しいのかもしれませんね。

C – 本日は、平賀さんへのインタビューを通じて、これまで以上に危機感を抱くことができました。(笑)有難うございました。やはり、「企業が外国籍人材採用を避けて通れない」とお話を伺い必然と感じました。弊社も海外女子紹介エージェントとして積極的に外国籍人材紹介をしていく覚悟を決めた、そんなインタビューの機会となりましたこと、御礼申し上げます。

平賀氏 – 有難うございました。

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